小惑星のレーダー探知や惑星探査機の軌道から、天文単位(太陽と地球との平均距離)の長さは非常に正確に測定されています。現在の値は149,597,870.696kmで、その誤差はわずか0.1mです。

このように高い精度で測定できるようになり、地球は太陽から年間15cmずつ離れていっていることが明らかになりました。しかし、地球をこのようにゆっくりと遠ざけている原因は謎のままとなっています。

太陽風や輻射への変換ではこの現象を説明できるほどの太陽の質量消失は起こりません。重力定数Gも計測されるような変化はみられませんし、膨張宇宙や暗黒物質による影響とも考えにくい状況です。

現在、三人の日本人動力学者が「潮汐」を原因として提案しています。地球の弱い引力により太陽に僅かな潮汐が起こり、太陽の自転に伴い、粘性抵抗によってわずかな太陽の回転エネルギーが地球軌道に転送される。という説を唱えています。この影響により太陽の自転速度は100年に3ミリ秒角の割合で減少するはずとのことです。

Updated: