2010年4月16日、海王星が1846年に発見されて以来初めて天球の周回を完了し、Johann Gallが9月23日にベルリン天文台から発見した位置へ戻ってきました。冥王星を除くと、太陽系の全ての惑星がその公転軌道を一周したことになります(実際に公転軌道の一周するのは2011年7月12日です。地球が動いていることによる逆行ループの影響で、見かけ上元の位置に戻ってきたようにみえています)。

海王星の発見は、天文学史上、最も有名な逸話のひとつです。パリ天文台のUrbain J.J. Le Verrierが天王星軌道の摂動から、海王星の存在と位置を正確に予測しました。この予測はイギリスのJohn Couch Adamsと共同の功績とされていましたが、最近見つかった文書によると実際のAdamsの寄与は少なく、1840年代のイギリスとフランスの軋轢を緩和するための外交的な配慮の一部であったことが明らかになっています。

  • "Neptune's Returen" Sky and Telescope誌, 2010年8月号より

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